BRMの最高峰と称される4年に一度の祭典、Paris-Brest-Paris(PBP)の第20回大会に出走・完走してきました。
帰国後に体調不良決め込んだため遅くなりましたが、今回はその事前準備周りを振り返ります。
前提
PBPは、フランスのパリ郊外と同国西部の港湾都市ブレストの間を往復する約1200kmのBRM。
そのうち最も枠の多い制限時間90時間のカテゴリーにエントリーし、88時間6分で完走しました。
PBPへは今回が初参加。ついでに言えば海外旅行、1000km以上のBRMともに未経験で、過去の最長は600kmブルベ+自走往復120kmの700kmちょっと。
初経験尽くしのため完走重視の安定志向ですが、現地での体験重視で直前勉強会などは出席せず。
手配関係
先述の通り海外旅行経験がなくフランス語もさっぱりのため、航空券・地上手配・ホテル全てグッディ主催のパッケージツアーに頼りました。
個人手配に比べお金はかかりますが、現地でのストレスやトラブルリスクを可能な限り低減したかったのと、ツアー参加者同士で交流や情報交換ができる点を重視したためです。
外貨も現地でのキャッシングは行わず、事前に200ユーロ用意。複数人で割り勘する時に使ったり、滞在後半は優先的に紙幣を使ったりしたため、最終日までに丁度使い切ったような塩梅でした。
カードも大抵の場面で使えますが、主流はタッチ決済。普段メインで使っているカードはタッチ非対応で、そのカードを使うたび逐一タッチじゃないよと示す必要があって少し手間だったため、途中からタッチ対応のサブのカードに切り替えました。……今にして思えばメインのカードをApple Payでタッチ決済するのも一手だった気はします。
なおカード決済端末の操作にあたり、向こうではまず最初に言語選択の画面が出てきます。ちゃんと表示を見ていればまず間違えませんが、気づかず国内の要領で暗証番号を打つと恥を見ます(1敗)。
荷物周り
ウェア
寒暖差があり、かつベースの気温は高いかもという話だったので、基本はおたふく手袋のアウトラストインナー上下+夏用半袖(or長袖)ジャージ&ビブ。
冷え込む時はレインウェア(上)やレッグウォーマーを重ね着。
流石に夜に仮眠など挟むと走り出しは冷えますが、それ以外は問題なし。昼の暑さもそこまで気になりませんでした。
グローブは中程度のパッド厚のもの。
IntroのStinger系のような極厚パッドは逆に荷重が偏って痺れが出そうになることがあったため、今回はサブとして持参しました。
化粧パフは持って行ったもののホテルに忘れていきました。。
走行中の荷物
当日の自転車はこんな感じ。
ボトル
950ml+たぶん800ml。
受付で頒布されたボトルが丁度良かったのでそのまま使いました。
何分容量が大きいものを選んだので、私設エイドでは「容量多くてごめん…」と思いながら水を分けていただいたりもしましたが、おかげで道中での水補給ストップは相応に減らせたかと思います。特に夜間はエイドが中々現れない区間もあったりしたので、そこでの水の心配が不要だったのは精神的に大きかったです。重量は気にしたら負け。
容量が唯一裏目に出たエピソードとして、とあるエイドで用意いただいた水がコントレックス(すごく硬度が高い水)だったときは、無下にもできず950ml並々満たされていくのを横目に銀河に思いを馳せることとなりました…。いや貰えるだけありがたいんですけどね。
個人的には硬度が高かろうと飲む事自体はさしたる問題ないんですが、お腹が緩くなるのは避けられず次のPCでトイレに駆け込むことに。
バッグ類
バッグは4箇所+ツール缶。
それぞれの内訳と所感をざっくりと。
サドルバッグ
- 雨具上下・レインシューズカバー
- 輪行袋
なくても現地調達できるし、なんなら現地の方々が率先してごみ袋とかに詰めて「OK!」と言ってくるケースもあるらしい。 - 作業用手袋
- ハンドタオル
- おしりふき
今回は結果的に使わずでしたが、PCのトイレ待ちなどで「no paper...」と悲しそうに語る被害者達は散見されました。 - 予備ワイヤー
シフトワイヤー交換してから結構経っていたため。といっても携行工具が十分でないので結局はPCのサポート頼り。
ついでになんとなくブレーキワイヤーも用意。何故かと言われれば気分。
フレームバッグ
トップチューブバッグ
- 鍵
- スマホ・貴重品類
- 受付で頒布された公式ナップサック
- めだたんぼー、眼鏡など
ハンドルバーバッグ
- 補給食
メインはかし原の塩羊羹(安かったので)。サイズも小さいので配り回ろうかと思ってましたが、2人目のエイドの男の子におずおず突き返されて序盤で心が折れました。得体の知れない食品は受け取れないよね…ごめんね……
ZONEゼリーは嵩張るうえ効果も期待ほどではなかったため即ベンチ行き。エナドリはPCに常備されているので必要ならばそれを携行すべし。
その他は家にあったり目についたものを適当に。 - アミノバイタル、ウルトラミネラルタブレット
向こうではスポドリの類がほぼなく、補給も水メインだったためタブレットはとても有用でした。高いけど - 金グリ、ロキソニン、カフェイン錠、常備薬
道中苦しんでいる人に配ることもあるので予備があると安心。
- 補給食
ツール缶
普段通りの携帯工具や予備小パーツ類。ただし予備クリート(spd)を忘れて後ほどとても後悔しました。
替えチューブは普段はR'Air一本ですが、代わりに走行継続性重視でMageneのTPUチューブ2本。TPUは品質安定しないとのことで結局リスクはあるのですが、2本持っていけることを優先。
チェーンオイルはSDS(和文)の入手が用意だったワコーズのエクストリームルブ。小分け用の容器を持参していましたが、元容器のまま入りそうだったのでそのまま突っ込みました。
今回出国時はセーフでしたが、CO2ボンベは空港で没収となることがあるので注意。
ドロップバッグ
ツアーと同じく、435, 782km地点のLoudeacで回収できるグッディのドロップバッグサービスを利用。
入れた荷物は以下。
- 着替え・タオル
道中ホテルを取っていないので、必須ではなくとも着替えられるなら着替えたい。 - 予備チューブ(R'Air)
TPUチューブを信用しきれなかったので予備の予備。 - 予備バッテリー
モバブ(10000mAh)とGoProのバッテリー。 - 食料品
携行用の補給食に加え、ホテル近くのスーパーで買った野菜ジュースを投入。
PCのレストランにもサラダはありましたが、こうして総合的に補給できたのは良かった気がします。
アルファ米は持っていきませんでしたが、おにぎりとか作っていた人は道中羨ましく映りました。。
基本的にPCのレストランは時間もお金もかかるので、補給食とは別に食料品を買い込んでここに詰めても良かったかもしれません。
人によっては別業者であるJFTのドロップバッグサービスも併用してFougeres(292km、928km)でも荷物を受け取っている方も。
頻度としては少し過剰気味ですが、携行品を減らせることやリスクヘッジなどを加味すると一考の余地はありそうです。
おわりに
今回は手配・装備などの事前準備周りとその所感を振り返りました。
次回以降は時系列に沿って記憶を掘り返す予定です。