遷径計画

遷径計画

色々な自転車の様々な軌跡に対する迷走の備忘録です.

【ブルベ】PBP2023への参加② 出国~出走前日

BRMの最高峰と称される4年に一度の祭典、Paris-Brest-Paris(PBP)の第20回大会に出走・完走してきました。
今回はその出国から出走前日までを振り返ります。

出発前のプチトラブル

ブルベはスタート地点に立てた時点で半分完走出来たようなもの。
時にそう言われる(勝手に言った)ように、万全な状態でスタートを迎えるためには往々にして大小様々な障害が立ち塞がります。

私の場合、出発1週間前に後輪のベアリングが固着
原因となったのは防水性に乏しいと言われるMAVICのID360ハブで、元々フリー側のベアリングが怪しいのは既知でしたが、そちらではなく予兆のなかったハブ側のベアリングが突如悪化。
幸か不幸か丁度メンテに出している最中で、そのショップが偶然にも同規格のベアリングを在庫していたため、それに打ち替えていただくことで事なきを得ました。
欲を言えば別ルートで出処のはっきりしたものを安価に調達したかったですが、こればかりは仕方ありません。

こうなるとフリーも怖いので、タイミングよくフリマに出品されていたものを確保。
発送予定が3~5日と出国に間に合うか怪しかったのですが、「急いでいるようですので早めに発送しました。」と翌日発送の神対応
取引コメントではこちらの事情に一切触れていないので、プロフからX(Twitter)に飛んで状況察していただいたんですかね…?本当に助かりました。

タイミングがタイミングなので少し焦りましたが、出国後でなかったのは不幸中の幸い。その他諸々の幸運と善意に支えられてなんとか当日を迎えられました。

初日

出国

行きの飛行機は朝の8時発。ツアー便のためその3時間前には来るようにお達しがあり、始発ではその時間に間に合わないため前日夜から羽田入り。

手荷物預かり所はどこも満杯だったため、カートをごろごろ転がしながら時間つぶし。
朝になると同じツアー組らしき方々がチェックインカウンターにぞろぞろと集まってきて、自動チェックイン機やら事前チェックインやらと早速助け合いつつ搭乗手続き。

受付は私含む大半がバイクポーターPROだったためか、サイズ計測などそこまで厳密に行われず通過。
また心配だったチェーンオイルのSDSやCO2ボンベも、特に触れられることもなく保安検査を通過できました。

そして始まる14時間のフライト。飛行機の離陸を窓から眺めるにつれ、ようやく「後戻りできないなあ」という実感が湧いてきます。
窓際席でしたが幸いにもトイレに悩まされることもほぼなく、日付変更線沿いや北極圏を飛ぶ航路にテンション増。

機内食は2回出ました。

到着、晩餐

英国を超えて仏入りし、高度を下げていく飛行機から覗く風景にツアー組である隣席の方々と「土地広い」なり「ラウンドアバウトたくさん」なりと話しているうちにシャルル・ド・ゴール国際空港に到着。

目に入る異国語に海外を感じつつ、入国審査を特に何も聞かれることもなく通過。
運ばれてくる荷物を受け取るにあたり、同じような輪行箱ばかりなので見分けが困難。一応片面にキーホルダーをつけて対策していましたが、肝心の面が見えなかったため結局効果なし。

Europcarを発見

受け取り後はツアーのスタッフと合流し、ホテル毎に分かれてバスで移動。
荷物がトランクに収まりきらず、1台は車内の座席に移されました。(運転手によるクッション枕のオプション付き)
途中事故渋滞に捕まりつつも、現地時間19時半過ぎにホテル「Mercure Maurepas Saint Quentin」に到着。

チェックイン中、通りがかった他国の参加者が「ボトル交換しようよ!」と持ちかけてくださったのですが、残念ながら誰も特別なボトルの持ち合わせがなく、お受け出来ず。。次からは記念ボトル系も用意あった方が良いのかもですね。

ツアーは相部屋での申し込みでしたが、どうやら溢れたらしく一人部屋。費用は変わらないのでお得ではありますが、嬉しいような寂しいような。

現地のスーパーは遅くとも20時には閉まってしまうようで、急がないと間に合わなかったため大人しく外食することに。
数km離れた所にある「Léon - Trappes」というお店がオススメとのことで、ここまでの道中で知り合った方々に便乗させていただいてタクシー移動。
ムール貝が売りらしく、各々フランス語のメニューに苦戦しつつもムール貝とバーガーを注文。飲み物は全員荷解きを考えてノンアルを頼んだつもりでしたが、届いたのは全てアルコール入り。さらば荷解き。
貝も美味しいし店員さんも気が良かったり日本語で話しかけようとしてくれる方がいたりと良いお店でした。

なお同卓の方々とアルコール抜きついでに徒歩で帰ろうとして、最終的にホテルと逆方向に数km歩いていたことが発覚したため結局Uberタクシー呼びました。方向感覚だいじ。

帰ってから大まかに荷解きと自転車の組み上げをして細かいところは翌日丸投げ。

2日目

事前受付

1晩明けて2日目。ホテルの朝食はチーズの種類が多くて美味しかったりパンが各自で切り分ける方式だったり果物を棚から直取りしたりで新鮮でした。(写真撮り損ねました。。)

事前受付のためランブイエへ向かうにあたり、ホテルから会場までは20km前後。
基本幹線道路を走ることになるので微妙という触れ込みもあり、電車+徒歩で帰りはパリ観光という案も魅力的でしたが、自転車の状態確認と半月以上ろくに乗れていなかった身体の慣らし、現地慣れなどのため自走を選択。ついでに30kmほど追加すればヴェルサイユ宮殿へ寄り道できそうでしたが、時間の都合で残念ながらスルー。

なお近場を走るだけだし泥除けはいらないかなと装着をサボったところ、宿を出て早々に小雨に振られて泣きを見ました。

居合わせた方々にまたもや便乗して向かう道すがら、立ち止まっていたイタリアの方に「この先自転車通れないわ(※)」と言われたため、一緒に脇道を縫うように進んで受付会場まで。 ※自転車道がないというだけで、車道なら通れました。

フランス初の石畳

途中から迂回開始

会場到着は朝11時前。受付予定時間が13時と間があるためぶらついていると、LELとインドのGOH(Gate Of Heaven、1200km12000m↑)から営業活動。GOHからはお洒落な栓抜きも貰いました。

前日受付会場
右下の丸いやつがマグネット付栓抜き

記念撮影組

会場でお会いした日本人とお話ししたりつつ、頃合いを見て受付へ。受付予定時間は少し先でしたが特に問題なく受付できました。
ゼッケンプレートやウェアなどを受け取り、実感はまだまだ薄くともようやく「フランスに来た観光客」から「PBPの出走者」に。

ついでに購買で記念Tシャツを購入。小さいサイズの反射ベストはすぐに在庫が無くなってしまったようで、交換で入手できないかと尋ね回っている方がちらほら。

記念撮影、初参加組懇親会

受付後は、奇しくも受付予定時間と同刻の13時に行われるAudax Japanの集合写真撮影へ。大雨で中止になったらしい前回とは異なり、快晴の中ランブイエ城をバックに記念撮影。

その後、縁あって初参加者を中心にした懇親会へお誘いいただき、ランブイエ城近くのカフェに移動。メニューの分かりやすさと安心感に負け、昨夜に引き続きバーガーを食べました。

当然のようにポテトがセットでついてくる

帰路~2日目終了

帰路は翌日の会場入りで躓かないように電車(TGV)の予習をしようと切符を購入…はしたものの、目の前で発射予定時刻1分後の電車が行ってしまい、次は1時間後だったため結局自走して帰りました。
ダイヤの正確さはさておき、切符購入の混雑と、改札の通過に時間がかかったのが響いたようです。
なお改札は自転車が通れる広いゲートが1台あったものの思ったようにゲートが開かない時があり、自転車を担いで通常の改札(金属製のバーを回転させて歩くタイプ)を通っていく人もちらほら。ただその改札は狭くバーも高さがあるのでリスクが高く、担いで通過しようとした同行者はバーにホイールを巻き込んでしまい、スポークが少し曲がってしまいました。。。

帰路は脇道は使わず幹線道路をまっすぐ。実は行きで迂回していた区間の一部は反対車線に自転車通行可の歩道があったようでしたが、道が悪く信号も分かりづらく危ないため車道中心。 しかし途中から同行した方が歩道走行中にパンク&落車してしまい、薬局に寄って応急処置するなどしました。
機材だったり落車だったりといくつかトラブルを目にしていますが、まだ前日なんですよね…。

下の小さい信号が歩行者用。日本の感覚で探していたら最初見つけられませんでした。

ホテル到着後は近くのショッピングモールにあるデカトロンや電気屋を見回り。
リユースショップらしきところの店頭に我らが△=STRiDAが置いてあって謎の感動を覚えましたが、店員さんが作業中でよく確認できず。欲を言えばコインランドリーを利用したかったですが、丁度良い場所が近くになかったので諦めました。
帰りにスーパーに立ち寄り軽食を勘で調達。牛乳を買ったと思ったら成分調整牛乳みたいなやつでした。かなしい。
スーパーで会った参加者の方の部屋にお邪魔させていただいてプチ晩餐会をし、2日目は終了。

残った組み上げもして準備完了

ブルベでもそれ以外でも自転車に乗るときは基本独りなので、こうして段々と広がっていく縁や交流というものを実感した2日目となりました。