遷径計画

遷径計画

色々な自転車の様々な軌跡に対する迷走の備忘録です.

【ブルベ】BRM204 追い風400 参加

絶対追い風400km

キューシートにそう記載されたAJ神奈川主催のブルベ、「BRM204神奈川400km追い風」に参加してきました。

今年は名前通り追い風に恵まれた本ブルベ、いくつか困ったこともありましたが無事完走しました。

概要

開催概要ページ参照
aj-kanagawa.jp

当日まで

スタート地点は愛知県三河安城。折角の遠征なので、休みを取って大阪に。
全国旅行支援も活用し、数日かけて三河安城まで向かいました。
以下道中ハイライト。

雪の残る暗峠
琵琶湖
東海道関宿
名古屋城(外から)

スタート前日に三河安城に到着。今回のブルベは13時スタートとのことで、カード作成&事前申請でチェックアウトを12時まで延長可能なABホテルに宿泊。
ただ当日は中途半端に目が覚めてしまったため、寝だめは失敗。。

当日

スタート

スタート地点の三河安城駅。聞いた話によれば参加人数が130人近かったらしく、そこかしこに参加者が。

昨今の情勢の都合もあって一斉スタートのブルベは前年9月の渋峠400ぶり。こちら参加記事を書く機会を逸してしまいましたが、エントリー77に対して出走34(完走18)という惨状だったため落差がすごい。

何はともあれ、ブリーフィングで(記憶が確かならば)追い風に対する熱い思いなどを聞いたあとに順次スタート。

PC1 57.9km

本ブルベには初参加でしたが、今年は時期と運が良かったようで本当に追い風。
序盤にある「トラ縞ゲートをくぐって自転車歩行者道を走行する陸橋」で先発隊の集団が道を間違えたりしていたようですが、おおむね順調に進みます。
団子状態は好ましくないので、早々に抜け出して一人旅。

赤坂宿
御油の松並木

途中通過した大井池(灌漑専用アースダム)の写真を取り逃したのは悔やまれますが、その他何事もなく「PC1 ファミリーマート 新城東沖野店」に到着。
ここまでは非常に順調でした。ここまでは。

通過チェック 109.0km パワメ死す

PC1からのリスタート直後。パワメが認識されません。

パワーメーターには現在Garmin Rally RS200を使っているのですが、元々数日前の大阪からの道中でも電池周りの調子が悪く、頻繁に電池を交換していました。
その一環でスタート当日の朝に新品の電池に入れ替えたばかり…。

ここ数日の不調もあったので、ブルベ中の対応は諦めるべきと判断。開始2時間半で置物化しました。

追い風という状況からペース管理機器が失われたことで、オーバーペースと自覚しつつも踏み続けます。

新居関所(今切関所)

踏みすぎた道中でしたが、そのおかげで良い事も。
弁天島通過のタイミングでちょうど日没の時間になりました。

「この景色のためにここまで全力を出した」という方も。
ゆるキャン△ パネル
ガヴも発見
浜名湖関係は特にチェックしていなかったので、日没後であれば多分立ち寄れなかったと思います。

そんな幸運に恵まれつつ、「通過チェック ファミリーマート浜松中田島町店」に到着。
寒くなってきたので、アウトラストのインナーを2枚重ねで着用。ここから寒さとの格闘が始まります。

PC2 196.2km ハンバーグと豚汁を食べる

オーバーペースの反動と気温の低下もあり、ペースは先の区間と比べて落ち着き気味。

浜名湖周辺で鰻を食べる参加者を脇目に進んできましたが、ふと目に入った「さわやか」の看板。
いつも混んでいるという話を聞いていましたが、店内を一見した感じでは割と空いてる…?



ということで、突撃。

整理券曰く20分待ち。待機中に入れ替わり退店していったふぃりっぷさん&PEKOさんは3,40分待ちだったそうで、それよりは早いといったくらい。自分の後の待ちはかなり少なかったようで、食事中に入店してきた参加者の方はかなりスムーズに案内されているように見えました。ちょっぴり敗北感。

時間はたっぷり吸われましたが、「PC2 明治トンネル出口」へと向かいます。

明治トンネル分岐の看板。常設ではなく、ブルベ用にスタッフが設置しているらしい。
明治トンネル

明治トンネルを抜けると有人PC。暖かい豚汁を振る舞っていただきました。

PC3 308.6km 寒さとの闘い

230km付近に駿河健康ランドがあり仮眠場所としても紹介されていましたが、伊豆が混まないうちに抜けたかったのもあって今回はスルー。
しかし、ちょうどその辺りを境に気温がさらに低下。ガーミンの示す気温を信じるのもあれですが、コンスタントに3℃以下(最低-1℃)を記録するようになりました。

防寒装備的には十分耐えられる目算でしたが、想定外だったのが下腹部の冷え。
想定以上に冷やされ続けたからか頻繁なトイレ休憩を余儀なくされ、否応なしに時間が吸われます。ログを見たところ、1時間弱に1回のペースで6回もの休憩をしていたようです。
加えて寒さと度重なるストップに眠気も誘発。休憩時に丁度よい場所を見つけたので、寒空の下で少し仮眠。

冷川トンネルへの登りではかぼさんと遭遇したため雑談などして気を紛らわせ、なんとか「PC3 セブンイレブン伊東中伊豆入口店」に到着。

通過チェック 351.6km ~ ゴール 402.0km 完走

PCを抜けて伊東市街に着くあたりでは日も昇りはじめ、寒さの問題も徐々に解決。

伊東での夜明け

ただ眠気は完全には解消しきれず、通過チェックまでの間に2回ほど追加で休憩。

その甲斐あって眠気は解消できたので、通過チェックの「根府川駅」へ。
駅までの登りでみかんを買っている人も何人かいたらしいですね。

伊豆を抜けてからは向かい風基調になりましたが、渋滞以外に困った事もなく正午前にはゴール地点である「松汀園」へ。

無事、23時間弱での完走となりました。

当初自宅までの自走も視野に入れていましたが、思ったより疲れていたので大人しく電車で帰宅。

おわりに

晴天かつ風向に恵まれたブルベでしたが、諸々のトラブルが尾を引いてかここ最近のブルベで一番疲れた気がします。向かい風400にならなかったので助かった…。
冬のオーバーナイトブルベは基本避けてきた故の苦戦でもあったため、改善の余地は多そうです。

また久しぶりの一斉スタートでしたが、スタッフの方々からも暖かさを感じられて楽しかったです。お疲れさまでした。

【CARRYME】92Tの装着,クランク・BBの交換

2020年の6月にキャリーミーを購入.その後1年間で多数のパーツ交換を施しました.

購入1年後の様子
本記事ではそのうち,以下の箇所の交換例をまとめて紹介します.

  • チェーンリング
  • クランク・BB

項目や写真ごとに多少時系列が前後しますが,ご了承ください.

チェーンリング

日時

2020年10月

交換内容

Multi-S 92Tチェーンリングセット

loroshop.stores.jp

動機・背景

元々はちょっとした距離の補完などを主目的として購入したキャリーミーですが,走っているうちに欲も出てきます.ギア比もその一つ.

極小径車に速度を求めるのは筋違いではありますが,通常のギア比は個人的に物足りませんでした.
速く走ることは求めずとも,遅すぎるのも避けたい.

キャリーミーは呼び番号25の伝動用チェーンを採用しており,一般的な自転車のチェーンとはJISの規格番号からして別物です.
そのためギア比の変更方法は限られており,現状取れる選択肢は大きく分けて2つです.

  • スピードドライブ(以下SD) SDとは内装2段変速が可能なBB一体型クランクの事で,元々のギア比に対して1倍:1.65倍の切り替えが可能となるようです.
    本家ドイツ製(スイス製)と台湾製の2種類があるようですが,機能は同じとの事なのでここでは分けません.

cycleshibuya-staff.seesaa.net

  • チェーンリングの交換
    標準のチェーンリングがフロント84Tですが,この歯数を変更する方式.
    現在入手可能なものは,92T64T(CarryAll用).キャリーミー最初期の「OX Pocket」などは100Tを使っていたようですが,今現在の新規入手方法は不明.
    今回はギア比を大きくしたいので,92Tが候補となります.

なお過去にはスプロケットを自作して自転車用チェーンを使えるようにしたり,多段スプロケット及び変速機を増設してホイールのスプロケットと連動させたりしたケースもあるそうですが,それらは特殊に過ぎるので考慮しません.

選択

交換内容の通り,92Tを選択しました.
理由は以下です.

  • 価格面
    SDは高機能な分価格も高く,具体的な金額は不明ですが本家のものだと10万越え.台湾製だと4万程度で手に入るようですが,いずれにしろ高価
    92Tも当時価格で2万強はしたので正直高いのですが,SDに比べれば手頃に見えます.


    という内容を書くにあたり販売元を確認したら,2022年10月現在で3万超えていました.SDとあまり価格差なくなってきましたね….

正直この理由が圧倒的でしたが,自分を説得するための他の理由も追加します.

  • 整備面
    SDはハブ用内装変速機等と同様に,遊星歯車装置を使った変速機構.
    そのため複雑な構造を有しており,着脱にも高価な専用工具が必要で癖が強そう1

    基本的にパーツ交換含む整備は自分でも行えるようにしたいので,整備性は落としたくないのが正直なところ.
    その点92Tはチェーンリング周りを交換するだけで他に影響はないため,作業が楽です.

  • 入手性
    車体の購入店であるLOROさんでは92Tの取扱があり,店頭在庫もあったためその場での購入が可能でした.

  • クランク・BB
    SDはBB一体型のクランクのため,当然ながらBBは選択不可.
    クランクも一見スクエアテーパーならば対応しそうですが,正式な互換性は不明

    逆に92Tはチェーンリング交換のためクランク・BBは自由
    個人的にはスクエアテーパーよりホローテックⅡのような中空クランク・BBの方が好きなので,その点で優位です.
    本記事の後半ではそれらの交換を取り上げています.

導入

(例によって作業風景など撮れていませんがご了承ください.)

92Tチェーンリングセットの付属品は以下です.

  • チェーンリング
  • チェーンリングカバー
  • チェーン

また任意ですが,フレームへのチェーンの接触が気になるならばプロテクターの装着もしておけば安心です. loroshop.stores.jp

作業内容を大雑把に挙げると,

  1. 後輪外す
  2. チェーン外す
  3. チェーンリング取り替える
  4. 新しいチェーン付ける
  5. 後輪付ける

となりますが,例えばチェーンを切断・または自前で用意してジョイントリンク等で繋げる場合後輪の下りは簡単化が可能.
チェーンテンション調整は必要ですが,ホイール外すための諸々の作業が省略できます.

結果

当然ですがギア比が上がったので,僅かですが速度帯も上がりました.
参考までに,当時計算したケイデンスと速度の対応表を載せておきます.

実測とは誤差があるので,参考までに.

ケイデンスでの巡航速度が上がるのもそうですが,要求ケイデンスが高いため同速度(同パワー)に対するケイデンスが下がるという観点でも個人的には結構ありがたい.
普段慣れている範囲のケイデンスなら問題ないですが,それより高くなってくるとパワーの維持より先に回転の維持の限界が見えてきてしまうので,距離を重ねるほど恩恵が出てきます.

劇的にギア比が変わるわけでもないので,登坂も割と対処可能.
地味に嬉しいのが,下りで足を回して対処できる範囲が広がるところ.速度の出る下りにて路面にハンドルが取られそうで冷や冷やすることもあるので,ペダリングで荷重する選択肢が増やせると安心できます.

とはいえここまで書いてきて根も葉もないですが,まだ物足りなさはあるのでSDにも機会があれば交換してみたいですね.

クランク・BB

日時

2020年12月

交換内容

クランク

FC-5650 クランクアーム 165mm

BB

SM-BBR60 BSA

動機・背景

チェーンリングを交換したことでギア比は多少改善しましたが,もう一つの課題がクランク長
純正のクランクは160mmなのですが,普段170mmを使っているため,大分短い.
また当時ポジション調整でロードのクランク長を165mmにしてみようか迷っていたこともあり,試験も兼ねて165mmのクランクを導入しようと考えていました.

その場合,取れる手段は基本二つ.

  • スクエアテーパーのクランクを装着.BBはそのまま OR 同規格のものに交換
  • 中空軸のクランクを装着.BBはそれに合うものに交換

後述しますが私は中空軸のクランクの方が好みなため,後者の選択肢一択でした.

必要なアームの規格はPCD(BCD)110mm,5アーム」.これに合うものを探します. 選択肢をあげるとキリがありませんが,中空軸の一例は以下.

  • 通常式(非ダイレクトマウント)
    シマノ,DIXNA(ラ・クランク),SRAM,ROTOR, ...
    • 右クランクアーム(スパイダー・スピンドル一体式)と左クランクアームのセットで構成される,いわゆる一般的な形式
    • 無難で選びやすいが,大手コンポメーカーの近年のクランクは規格が異なるものが主流のため,旧式のものを中古で探すケースが多い
    • 今回不要であるチェーンリングもセットなことが多い
  • ダイレクトマウント式
    ROTOR,OnebyESU(ジェイ・クランク),SRAM, ...
    • 左右クランクアーム,スパイダー,スピンドルといった単位で独立している形式
    • 規格さえ合っていれば組み合わせは自由なため,カスタムの幅が広い
    • 対応可能なパーツは近年も増加傾向?
    • 部品点数が多く高価なものが多い(中古市場も通常式の方が優勢?)
    • シマノのロード用コンポは現状非対応

選択

結論として,クランクはシマノの105,BBもシマノの105/ULTEGRA相当のものを選択しました.

クランク

シマノ105にした理由は以下.

  • シャフト径
    キャリーミーのBB規格はねじ切り(BSA)式.BSAで30mmシャフト対応のBBもなくはないですが,入手範囲が広いのは24mm.
    特に今回はシマノのBBを使いたかったため,24mmシャフトのものを前提としました.

  • 価格面・信頼性・色
    出費を程々に抑え,かつ信頼性が担保できる選択肢としてシマノは非常に有力.流通量も多く中古市場が大きいため,アーム単体を安価かつ容易に中古で入手可能でした.
    また他社のクランクは黒基調のものが多く,シルバーのクランクの選択肢が少なかったのも一因です.

    同様の24mmシャフト・シルバーのクランクではDIXNAのラ・クランクも有力ですが,やはり先述の価格面や入手性で一歩劣ります.
    この製品は130mm~の短いクランク長 & 167.5など入手性の低いクランク長への対応狭いQファクターなどが特徴ですが,今回それらは不要なため評価は変わらず.
    同様の理由でOnebyESUのジェイ・クランクも見送り.

  • グレード
    当然ながらグレードによって価格や性能はまちまちですが,Tiagra以下と105以上には「アームの中空化」という明確な差異があります.
    スペック上は「中空アーム化により軽量性と剛性を両立…」などの言葉が並びますが,個人的なポイントはアーム裏側の肉抜きの有無
    裏側が平滑な中空アームでは,肉抜き部分の汚れや掃除のしづらさといった不満から解消されます.

    ULTEGRA以上だとチェーンリングにも肉抜きは入りますが,今回は無関係.当然細々とした軽量化や剛性アップなどはありますが,今回の導入にあたっては105が価格と性能のバランスが丁度いいと判断しました.

    上がFC-5650 (105),下が純正

あとは世代ですが,105でいえば5800世代から4アームに移行したため,5700世代以前のコンパクトクランク(FC-XX50)が対象.
欲を言えば5750が理想でしたが,ヤフオクに5650が落ちていたためそちらで妥協.

当時5600系と5700系で大きな差はないと判断していたのですが,本記事執筆にあたり調べたところ以下の仕様変更があったとの噂.

  • クランクシャフト
    クランクシャフトの材質が5600系列ではアルミ,5700系列でクロモリ.
    正確には6600系列と6700系列での比較記事2ですが,対応するクランクフィキシングボルトの品番がそれぞれ同じなので5600,5700でも同様と思われます.外すの面倒なので現物の確認はしていません.
    公式ソースが確認できなかったため真偽不明ではありますが,真の場合は耐久面など考えると5700系列のが良かったかもしれません.

  • 歯先間距離
    5700系列登場時のプレス3では,以下が記述されています.

    アウターギアとインナーギアの歯先間距離を広げ、前後が小ギアの組み合わせ時、チェーンとの接触を低減

    文字通りインナー/アウター間の距離が広がり,FDやSTI後方互換性はないとのこと.

    引用元:メーカーHP_2011年
    この設計の修正が①チェーンリング側,②クランクアーム側,のどちら主体で行われたかは不明ですが,後者の場合ならば後述するキャリーミー取付時のチェーンラインやクリアランスに影響あるのかなと少し思いました.

BB

BBはセラミックBBに代表される「(空転時に)よく回る!」というハイグレードなものも出回っています.こちらはロードで試しに導入してみましたが,私には正直耐久性を犠牲にするほどのメリットは感じられませんでした.
92Tのキャリーミーでは猶更な話なので,耐久性を重視したBBが今回の命題です.

やはり耐久性・入手性・価格の三拍子がそろっていると言えばシマノ.必要なのがねじ切りBBということもあり,迷う余地はありませんでした.

グレードは105/ULTEGRA相当のSM-BBR60を選択.
デュラエース相当のSM-BB9000(原稿はSM-BB9100)も十分安価なため選択肢には入りますが,あえて選択から外しています.

BB9000はBBR60と比べ回転が軽いと言われますが,その理由はシール構造とベアリング径が主です.
それらにより耐久性を犠牲にして回転を得ている,極論で言えばセラミックBBと似たような立場でしょうか.
これは明確に今回の命題と反しますので,除外となりました.

長くなりましたが,以上が導入となります.

導入

まずは記事前半と同様にチェーンリングを外したあと,コッタレス抜き・BBリムーバーなどの工具を使ってクランク・BBを順に取り外します.(例によって作業風景が以下略)
外した様子がこちら.

こちらに新しいBB・クランクを装着していきます.(例によって作)

SD仕様車体などで「BBにねじ切りがない!」という事例を時々耳にしますが,通常使用なのでその点は大丈夫でした.
心配なのは精度面で,ねじ山の精度が悪かったりBB接触面の面取りが不十分だったりするとタッピング・フェーシングなどが必要となることもありますが,こちらもクリア.

このまま問題なく終わるかと思いましたが,別の問題が発生しました.

リアランス問題

キャリーミーのクランク交換の際にしばし目にするのが,「チェーンリングをインナー/アウターどちら側に付けるか問題」.
インナー側に付けるとチェーンリングカバーとの両立が可能ですが,チェーンラインやクリアランスの都合で断念するケースもあるとか.
私は街乗りメインで使いたかったため,インナーに付けてカバーと併用できるのが理想.

というわけで,試しに装着.

チェーン汚いのは許してください..

ステー部分はクランク付近で少し凹んでいるため写真の見た目よりは若干の余裕があり,装着自体は可能でした.
ただ少しだけクリアランスが足りず,クランクを回転させるとチェーンピンがステーに接触し,ガリガリ削ってしまう結果に.

ただその程度で済むということはクランクを1,2mm程度ずらすだけで対処可能なため,手頃なスペーサーをシャフトに挿入することで解決できました.
私は適当に持っていたものを使いましたが,∅24mmであれば11sフリーの10s用スペーサーも使えるとの噂です.
ギリギリの位置なのでチェーンラインは微妙かもしれませんが,致し方ありません.

「スペーサー挿入で左クランク側のフィキシングボルトのかかりが悪くなるのでは?」という意見も目にしましたが,今回のように僅かな範囲であれば自己責任の範疇かと思います(推奨するわけではありません).
類似例としては,左クランクパワーメーターの装着でフレームとの接触回避のための挿入などが一例でしょうか.
大手でいえばスギノがスペーサーをやたら高いですが販売していますし,自転車専門店のECサイトでも何種類か取り扱いを確認しています.

もちろんメーカー推奨の形とは限らないため,繰り返しますが自己責任の範疇で各自の判断が必要という点は要注意です.

先述の歯先間距離にてインナー/アウター間の距離の変更について触れましたが,仮にこの変更がクランクアーム部のインナー受け/アウター受け間の距離の変更に起因する場合,5700/6700系を使う時にインナーチェーンリングがより内側に位置して装着できない,という事態は考えられます.
ただチェーンリングのフィキシングボルトは両モデルとも同一(M8 x 8.5)のため,正直その線は薄い気がしますが.

装着後の様子

結果

総合面

折角なので重量ですが,実測100gほど軽くなりました.
(交換前)160mmクランク 452g + BB 330g
(交換後)165mmクランク 600g + BB 76g
まだまだ軽くはありませんが,重量は元々重視していなかったため少し軽くなってラッキーくらいな気持ち.

走行面ですが,剛性の向上及び回しやすさを明確に感じました.
単純にパーツのグレードが上がっているのも一因ですが,やはり「四角軸→中空軸」になってベアリング内径が大きくなったのは大きいと思います.
個人的な感覚としては,四角軸は「中心の点」に力を加えているのに対し,中空軸は「円(シャフト)の接線方向」に力を加えているような差異を感じます.

四角軸は低グレードのものしか使っていないため今後評価が変わる可能性もありますが,これが中空軸を選んだ最大の理由です.

クランク長

ペダリングへの影響については「5mm長くなったことで力を入れやすく~」など言う事も出来ますが,その他の変更が大きくて正直そこまで気づけていないと思います.

一方,副次的な変化としてサドル高への影響があります.
クランク長が伸びると当然ながら下死点もその分遠くへ移動するので,サドル面~下死点間の距離もその分伸びます.
実はこれが今回の交換の裏の目的で,以前シートポストを交換した際に僅かに物足りなかったサドル高の改善に貢献出来ました.

クランク長長くなって地面に当たらないの?」という点については,問題なしです. コーナーで倒しこみつつ回す~などすれば当然当たることもありますが,通常の仕様の範囲で気になったことはありません.
強いて言えば「道路脇の段差近くまで寄った際にペダルがヒットしてヒヤッとする」というのはありますが,これは多分5mmや10mmの問題ではないので議論しません.
175mmくらいまで伸ばすと大変かもという噂は聞きましたが,こちらの真偽は不明です.

おわりに

本記事では92Tの導入,及びクランク・BBの交換を行いました.
途中憶測を含む箇所が多くなりましたが,ご容赦ください.

以下含む4回のページで頭1年間での純正からのパーツ交換を伴う改修はあらかた紹介できた(はずの)ため,次回以降は追加パーツなどを紹介していけたらと思います.

knog.hatenablog.com

knog.hatenablog.com

knog.hatenablog.com

Carryme-Day in UENO【7th】への参加

2022年10月某日,上野の地に40台を超えるキャリーミーが集結.
私もその中の一台として,Carryme-Day in UENO【7th】に参加してきました.

日時

2022年10月

概要・準備

キャリーミーデイは,ざっくり言えばCarryMe in Japanさんに主催いただいているキャリーミー中心の非公式の集会です.

直近の開催は2019年.コロナ禍で間が空いてしまったため,数年ぶりの開催となりました.

私はその年までキャリーミー不所持だったため,今回が初の参加です.
当日はいつも通りの装備で出発.

いつも通りの装備

当日

到着まで

集合地点である上野恩賜公園西郷隆盛像は自走圏内のため,輪行はせずそのまま出発.
準備にもたついてしまったため写真も撮らず急いで向かいます.

その甲斐あって,上野駅に15分ほど余裕をもって到着.
西郷像の場所を詳しく調べていなかったため勘で進んだのですが,案の定迷子に.気づけば上野動物園のゲート前にいました.

西郷隆盛像まで辿り着いたのは集合時間5分前でした.危ない.

集合~出発

到着して周りを見渡すと,あっちもこっちもキャリミ
すごい光景だな~と思って眺めていましたが.DHバーを搭載している車体がどこにも見当たりません.
個人的な偏見としてこれだけ集まれば他1,2人くらいは付けているかなと思っていたので,これは想定外.異物混入のような気まずさを感じてしまいましたが,特徴あって良いかと開き直ります.

話は逸れますが,他車体を見てもドロップハンドル1台にブルホーン2台と,ハンドル周りは全体的に大人しかった印象.かもめハンドルが増えてカスタムの幅が狭くなったのが一因ですかね?

近くにフォロワーさんを発見してお話を伺ったりしつつ待っていると,主催者の方から案内や集合写真撮影があったのち撮影タイムに. 車体も車輪も小さいのでコンパクトに集めても見栄えが良いですね.

そして公園内を移動して,スカイツリーが見える箇所で再び撮影タイム.

おまけ:別車種参加のMini125RD

西郷像の所でもそうでしたが,自転車を中心に参加者が輪になって右に左に自由に移動しながら撮影を続ける様子を面白いな~と思いながら眺めていると,いつの間にか警備員が数名.
これだけの集まりだと流石に人目を惹いて場所も取ります.一般利用者側は事前連絡の有無など知る由もないので,報告など色々あったのでしょうね.こちらも公的な場所を借りている身なので,迷惑をかけないように気を付けたいところです.

撮影会の様子

この後,東京駅へ向かって6km弱のグループライドを行います.

上野~東京駅

いざ走り出しましたが,ひたすらに車列が長い
聞いた話によると参加台数は42台.車体が小さいのでその他自転車よりは列を短くしやすいですが,開店待ちや雨天のバス停のごとく1列棒状に並んでいます.

最後尾付近からの様子

都心部でこれはまずいなと思い意識的に車列を切ったりしましたが,どうも主催側は迷子防止などの都合か団子で進みたい様子.定期的にストップをかけて,全員の到着をインカムで確認してから再発進するという方針のようでした.ならば下手に車列を分けてもデメリットになると判断し,左折車に配慮しつつ追随.
周囲ではこの集団に目を惹かれた反応も多く見かけましたが,特に途中この集団で挟んでしまった電動自転車の方や信号待ちで挟まれた路駐の車はどんな心境だったのか,察するに余りあります.自分だったら震えている自信があります

閑話休題

一旦秋葉原まで南下し,少し曲がって昌平橋へ.ここで再度の写真撮影タイム. ここで1列に並べ,バックで総武各駅線が通過する絵を狙っていたのではという噂.

人通りもあるのでそこまで時間も置かず再度移動し,すぐそばのワテラスで休憩.
特徴的なモニュメントがあるので,そこで写真を撮った方もちらほらいたようです.

そして神保町経由で皇居沿いへ向かい,目的地である東京駅正面へ.
タイルに沿って通路脇2列へ並べ,東京駅舎の左右をキャリミで挟んだ絵で最後の写真撮影. 折角ならばと,フレームカラー単位で並べてグラデーションを作りました.

正面からは取れなかったので,少し斜めから.

ここで集会は解散.思い思いに話を続けたりしつつ,各々帰路へと着きました.

イベント自体のレポートはここで以上となります.
来年の開催が知らぬ間に既定路線にされているといった主催者の声(嘆き?)もありましたが,もし開催できるようであれば是非また参加したいです.

おまけ・雑感

参加者の車体を網羅的に確認できたわけではないので各種資料を見つつの雑感ですが,気になった機材関係の印象を以下にまとめます.
思うままつらつら述べるだけで写真などはありませんが,ご了承ください.

ハンドルまわり

集合~出発でも挙げましたが,今回の参加者間ではドロハン・ブルホーンなど一目でわかる変更をしている人は数人程度でした.該当する常連の方々が不参加だったという話も聞いているのでそれも一因でしょうか.
ちょこちょこ見受けられたのが,ERGONのグリップ.角有り角無し両方ありましたが,角有りが優勢そう.「ERGON楽だからね~」なんて話をしていました.
その他では,TOGS系統のバーエンドの評判が良かったです.結構前傾が取れてポジションが楽になるとのこと.

逆にDHバーに興味を持っていただいたケースも何件かあり,使用感など軽くお伝えしたりもしました.やはりポジションが窮屈なのが悩みという人は一定数いるようです.

サドルまわり

気軽に交換できるパーツとあってか,交換されている方は多かったです.
ここに関しては多種多様ですが,軽量タイプの穴あきサドルを使っている人も結構いた印象.
逆に鋲付きや革製などクラシカルなものを使っている人はあまり見かけませんでした.

また個人的には,Thomsonのシートポストを使っている人を2人ほど見かけたのが嬉しかったです.

ホイールまわり

ホイールというよりタイヤですが,グレータイヤは東京駅の時点で3台.アリエクなどの非純正タイヤは私では判別できないので不明.
概ねエアータイヤ仕様のようですが,ソリッドタイヤも1台いたよ,という話は聞きました.

特に目立ったのは黒アルマイト塗装のホイール.塗装から数年経っているはずですが,いざ現物を見るとすごく綺麗.本人1曰く走行頻度やコースの都合に加え,「ドラム(後輪)ブレーキを多用している」など工夫の賜とのことですが,それでも結構な耐久性があるように思えます.試してみたくなりますね.
【訂正 2022.10.14】
アルマイト塗装ではなく,黒アルマイト加工という表現が正確です.

フロントブレーキ交換有無やその種類は確認できませんでしたが,ブレーキ台座またはハブ軸からライトを生やしている人はおそらく10人前後.

ヘッドチューブアクセサリ

フロント部にあるダボ穴に装着しているものの勢力図としては,以下の具合でしょうか.
バッグ(汎用バー→リクセンマウント→バッグなどの場合も含む)>> フロントキャリア > 汎用バー = ボトルケージ

車体後部

キャスターホイールは交換している人が多く,ドレスアップにもよく使われている印象でした.

一方,キャスターホイール近くにあるボトルケージ穴を活用している人は少数.私のようにボルトオンのバッグをつけている人は他にいませんでした(いたらすいません).FIDLOCKなどBOAダイヤルやベルトなどで荷物を固定するタイプのマウントをつけている人も見かけなかったような気がします.

スタンドにキャップを付けている人も数人確認しました.スタンダードな肉球以外にも靴状のものなど付けている人もいたそうです.

あと気になったのは,ドラムブレーキ式にて後ブレーキワイヤーのモジュレーターをブレーキ近辺につけているケース.ブレーキレバー近辺がすっきりしてワイヤーの取り回しはしやすくなりそうですが,水や泥はねなどどの程度影響あるのか気になりました.

欲を言えば駆動部周りも確認したい所でしたが,当日そこまで気が回らなかったため確認ならず.
次回があればもう少し意識的に観察してみたいです.

他参加者様のレポ

yu.ko.さんが以下記事で他参加者様のレポへのリンクをまとめて下さっているので,興味ある方はそちらも是非.
(自力でなくてすみません)

yukovelo.hatenablog.com

【CARRYME】ブレーキ周り・ライト・ベルの交換

2020年の6月にキャリーミーを購入.その後1年間で多数のパーツ交換を施しました.

購入1年後の様子
本記事ではそのうち,以下の箇所の交換例をまとめて紹介します.

項目や写真ごとに多少時系列が前後しますが,ご了承ください.

キャリパーブレーキ

日時

2020年12月

交換内容

DIA-COMPE BRS101 フロント ナット式

画像は埋込ナット式

動機・背景

兎にも角にも,ブレーキは重要です.
低価格帯の完成車では密かにグレードが下げられることもあるブレーキ本体ですが,安全面に強く寄与するためアップグレードの第一候補に挙げられることも多々あります.
キャリミの速度帯は高くありませんが,初期より交換は視野に入れていました.

しかし,必要なのはロングアーチキャリパーブレーキ.キャリパーの剛性も考慮すると,デュアルピボットのものが望ましい.
また設計の都合上,理想はナット止め.枕頭ナットの場合は加工が必要となるケースが多いとのことです.

これらを満たす選択肢となると,中々限られてきます.
シマノロードバイク上位グレードのブレーキにオフセットブレーキシューをつけて運用というケースもあるそうですが,枕頭ナットのため加工が必要なのと,ブレーキシューのオフセットは可能ならば避けたいため却下.

結果として,採用実績が多くナット式も流通していたBRS101を選択しました.
しかし当時はギリギリ入手できましたが,現在ナット式の新品は絶滅危惧種のような印象.今後どうするかは悩ましいですね…

導入・結果

交換後の感覚は忘れてしまいましたが,現在もよく効いてくれています. また嬉しいのが,センター出しやブレーキ開放の簡単化ケーブル調整ネジが回しやすいのも助かります.

交換作業の過程も載せられれば良かったのですが,残念ながら写真に残していませんでした..
またブレーキ交換作業に合わせ,後述するライトマウントの取り付けを行いました.

ライトマウント

日時

2020年12月

交換内容

R250 ロードバイク用ライトブラケット キャットアイ

動機・背景

グリップ交換の記事でも触れたように,ハンドル周りのマウントは鬼門です. knog.hatenablog.com

ライトについても同様で,それまではハンドルに逆さ吊りすることでなんとか対処していました.
そのライトをハンドル外に逃がす方法の一つが,ブレーキ固定ボルトに共締めするマウントの設置.
折角ブレーキの交換を行うので,増設しない理由はありません.

実績を確認できたのは,リクセンカウルのライトホルダーを取り付け,そこにライトを設置する方法.

リアランス的にも余裕が持てますし,確実な方法に思えます.
しかし他パーツとの兼ね合いでステーの色は黒の方が望ましいのですが,自分で塗るのも面倒.
そこで,黒ステー+キャットアイブラケット直付けの本商品に目を付けました.

導入

取り付け方法はいたってシンプルで,ブレーキとフォークの間に挟むだけ.
しかし,私の場合は使うライトの都合上ブラケットとフレームとの間のクリアランスを追加で確保する必要があり,追加で2mmほどのスペーサーを挿入しました.

結果

期待通りにライトの位置を移動することができました.
VOLT800だとクリアランスはギリギリなので少し気を付ける必要はありますが,縦長のライトでなければ基本問題ないかと思われます.

ただし,不満が一点. ライトを取り付けて上から見た写真なのですが,ホイールの軸(ブレーキシューの向き)に対してライトが左を向いています.
製品の精度などの関係でしょうか?ライトは多少ですが左右に振れるうえ,外すのも手間なのでこのままにしていますが,少し残念です.

ブレーキレバー

日時

2021年6月

交換内容

DIA-COMPE SS-6

動機・背景

正直ブレーキ本体を交換した時点でブレーキ周りは十分に思え,ブレーキレバー交換の優先度は低い認識でした. そのため後回しとなっていましたが,他の改修が片付いてきたあとの選択肢として浮上してきました.

こちらも実績のあるSS-6を選択.色は本体シルバー/レバー黒のSL/BKが理想だったのですが,入手性の観点から黒/黒のBK/Bkで妥協.

導入・結果

キャリパーブレーキ同様当時の感覚は朧気ですが,思ったよりもブレーキ剛性が向上して感心した覚えがあります.

加えて思わぬ副産物として,ハンドルクランプ部の幅が細くなりました.

純正レバー:16.1mm
SS-6:12.5mm

片側3.6mm程度ではありますが,ハンドル周りに悩む身としては朗報です.

レバーも細くなり,外観がより引き締まりました.

ベル

日時

2021年7月

交換内容

KNOG Oi SMALL Silver Ghost(限定カラー)

出展:メーカーHP 右がSilver Ghost

動機・背景

ブレーキレバーの交換にあたって純正レバー付属のベルが使えなくなるため,代用品が必要に.

当座はキャットアイのOH-2400を使って他のキャットアイブラケットに噛ませていましたが,どうせつけるならばOiベルもいいよなぁ…と思っていたところで今回の限定カラーを発見. 気にはなっても発売から1年経過した限定カラー,かつ流通量の少なそうなスモールサイズだから入手は難しいのではと期待薄でしたが,出先の自転車屋で普通に在庫していました.

あったものは仕方がない.

導入・結果

ハンドルのステム近く,レバーの下に隠すように配置. ただこの設置向きだと鳴らしにくい(鳴らす機会があるかは別問題)のと輪行時に引手が外側に来てしまうので,配置は今後の検討課題です.

【CARRYME】シートクランプ・シートポストの交換

2020年の6月にキャリーミーを購入.その後1年間で多数のパーツ交換を施しました.

購入1年後の様子
本記事ではそのうち,以下の箇所の交換例をまとめて紹介します.

  • シートクランプ
  • シートポスト

項目や写真ごとに多少時系列が前後しますが,ご了承ください.

シートクランプ

日時

2020年10月

交換内容

TOKEN HERO シートクランプ φ34.9mm TK1685TI

動機・背景

純正のシートクランプはレバーの端が手前に屈曲しており,強く締めようとすると手が痛いのが難点でした.

それでも使い続けていましたが,ある日の走行中,急にシートポストが落下しました.
丁度その時は路上駐車中の車を追い越すため手信号を出しており,片手が空いていた状態.抵抗する間もなく落車してしまいました.
原因が固定力不足なのは明白ですが,その日は直前に十分な力で固定した記憶が確かにありました.

それを踏まえると,考えられる原因は以下です.

  1. そもそもしっかり固定できていなかった(記憶違い)
  2. レバーを押す手の痛みを固定力の強さと勘違いして,不十分な状態で締めていた
  3. 固定時はしっかり固定できていたが,何らかの理由で緩んだ(剛性不足など?)

最初の理由だった場合は要反省案件で機材による解決はできませんが,残る二つは機材交換による好転の余地があります.
過去にも落下まではいかずとも気付けばサドル高が下がっていた事は何度か記憶にあったため,後者の可能性は高いと判断しました. 見た目もすっきりさせたかったため,交換が決定しました.

過去のキャリミでの交換例を見てみると,多かったのはKCNCやRIDEAの系統.

カラーバリエーションも豊富ですが,レバーの先端形状に悩まされた身としては警戒してしまいます.

そこで見つけたのが,今回導入したTOKENのシートクランプ.

出典:代理店HP
レバー先端が扇状に広がっていて締めやすそうで,黒地にワンポイントの差し色も好印象.
カラーバリエーションは少ないですが,黒を探していたため問題ありませんでした.

導入・結果

落車の原因は不明のため断定はできませんが,交換以後シートポストの落下・ずり下がりは解消
レバーも締めやすく,無理なく固定できている印象です.

地味に嬉しかったのが,クランプ部の割りがレバー側に少しオフセットしていること.
シートクランプをまっすぐ取り付けるとシートクランプ側の割りとシートチューブ側の割りが重なることが大半なのですが,その場合締め付けトルクに悪影響が出てしまうことがあるそうです.
そのためカーボンポストの取付などではシートクランプを逆付けするケースもあったそうですが,本製品はオフセットによりそれを対策しているように見えます.

シートポスト

日時

2020年11月

交換内容

THOMSON ELITE SEATPOST セットバック0mm φ31.6mm x 367mm

動機・背景

純正のシートポストは折りたたみ用のフックを取付できるダボがあるため便利なのですが,私には少しサドル高が物足りませんでした.
当時の実測値は忘れてしまいましたが,たしか感覚的にはあと2~3cm程度欲しいという気持ちだったような気がします.

シートポスト同様,交換例で多く見かけたのはKCNCの400mm.

しかし値段が高く手が出しづらいうえ,例えば黒などは文字の主張が少し強く,高さ調整のため目盛線も目立っているように見えます. また純正シートポスト長を350mmと仮定していたため,+50mmは余分に思えました.

そこで見つけたのが,THOMSONのシートポスト.長さが367mmと微妙な値ですが,今回に限っては+17mmと絶妙な値といえます.
また線が限界線のみで目盛線がなく,後方からの見た目も良さそう.
怖いのは限界線まで上げるとサドルが高すぎて中途半端に下げる必要がある場合ですが,感覚と数値を信じれば限界線付近で丁度良くなるはずです.

サドルを少し前に出したかったこともあり,オフセットなしのものを入手しました.

導入・結果

結論から言うと,この場での目論見は一部外れてしまいました.
というのも,サドル高に思ったほどの変化が出なかったためです.

純正シートポストの長さの計測を勘違いした可能性もありますが,もう一つ考えられるものはオフセット
オフセットがなくなった分BBまでの距離が近くなり,期待ほどの成果が出なかった可能性もありそうです.

ですが,サドル高が高すぎるわけではないので限界線の問題はクリア.
見た目的にもシートクランプ,サドルと合わせて色の統一感が出ました.

またキャリーミーのシートポスト交換で議題にあがるのが折りたたみ用フックの代替ですが,こちらについては今後別記事で公開しようかと思います.

今回の交換ではサドル高の問題は解決しきれませんでしたが,後のクランク長の変更により改善.
結果的に当初の想定通り限界線に合わせるとサドル高が丁度良くなる状態となり,今回の選択に感謝する運びとなりました.

クランク長の変更 ↓
https://knog.hatenablog.com/entry/2022/10/30/232439knog.hatenablog.com

【CARRYME】グリップ・ペダル・サドルの交換

2020年の6月にキャリーミーを購入.その後1年間で多数のパーツ交換を施しました.

購入1年後の様子
本記事ではそのうち,以下の箇所の交換例をまとめて紹介します.

  • グリップ
  • ペダル
  • サドル

項目や写真ごとに多少時系列が前後しますが,ご了承ください.

グリップ

日時

2020年7月

交換内容

ERGON GS2-L

動機・背景

キャリミはとにかくホイール径が小さく,路面の影響を強く受けます.
またポジション幅も広く取れないため,ハンドル・サドルへの荷重も強くなりやすい印象です.
そのため,グリップ交換は優先的に行いました.

選ぶにあたっての条件は以下です.

  1. ロックオングリップであること
    1. 着脱の手間グリップの回転防止のため
  2. 扁平上であること
    1. 荷重の分散を目的としているため
  3. バーエンドエンドバーが付けられること
    1. ポジションの幅を広くするため

ERGONのグリップは良い評判を聞いており,かつセットのバーエンドバーと一体となった設計.
バーエンドバーを覆うようにグリップが伸びていて握りやすそうなのも好印象でした.

ただしバーエンドバーの長さは折りたたみ時の幅にも影響が出るため,ショートバーのGS2を選択.手が大きいためサイズはLとしました.

導入・結果

装着の際,問題が一点. 2014年式以降のキャリミはステムから弧を描く特殊な形状(通称かもめハンドル?)をしているため直線箇所が短く,グリップをそのまま装着するとその他のマウントに支障が出ます.
下の写真は装着直後のハンドル周りですが,ライトやサイコンが押し出されて斜めになってしまっています.

グリップ加工なし
見た目的にもスッキリしませんし,ライトが斜めなのは特に良くない.

そのため後日2cmほどカットし,ブレーキレバーの交換と合わせてスペースを確保しました. knog.hatenablog.com

グリップ加工後

ペダル

日時

2020年7月

交換内容

MKS FD-7

動機・背景

純正のペダルは,外から押して折りたたむ方式.簡単ではあるのですが,走行中など不意のタイミングで誤操作してしまうことがありました.
またキャリミである程度の速度を出すためにはケイデンスを上げていく必要がありますが,このペダルはグリップがあまり効かず,足が抜けてしまうことも.

ペダルの交換にあたり,この手の自転車で候補に挙がるのは折りたたみ式クイックリリース式
クイックリリース式の方が輪行時コンパクトで踏面の換装も容易ですが,外したペダルの管理が面倒だったのもあり折りたたみ式を選択.

その中で,定番カスタムとして名高いMKSの折りたたみペダルを選択しました.

導入・結果

折りたたみは真ん中のボタンを押し込んで行う構造となっているため,誤操作が消えました

ペダルに凹凸があるためグリップも改善
雨など靴が濡れている時にソール形状によっては滑ってしまう事はありますが,仕方ないことだと思います.

また重量こそありますが,その分剛性が高く力が逃げません

あとよく回ります.同社の中でのベアリングのグレードは高くありませんが,それでもかなりよく回ってくれます.純正のものと比べれば雲泥の差です.
回転数低いパーツにベアリングの質を一定以上こだわる必要はないのではという議論はここでは聞かない事とします.信号待ちの際などにクルクル回していると気分が落ち着きます.

結果,かなり安心感をもって力強く踏めるようになりました.

サドル

日時

2020年11月

交換内容

SPECIALIZED POWERサドル

動機・背景

純正のサドルも悪いサドルではないと思うのですが,分厚いためアンバランスに思えました.
フィット感などもあり家に在庫していたサドルに早々に変えていたのですが,一方で新たなサドルも探していました.
それはショートノーズサドルです.

記憶が確かならば,当時は大手のショートノーズサドルが一通り出揃ってきていて,前年辺りにTNIも軽量ショートノーズサドルを安価で出すなど注目度が高かった頃合い.
キャリミの場合前傾姿勢の恩恵は受けづらいですが,重量や見た目上の恩恵は受けられます.
加えて,キャリミは折りたたみ時サドルを横に回転させるのが基本形.そのためサドル長が短くなればシルエットも小さくなることが期待できます.

その中,偶々セカンドショップを覗いた際にこのサドルが手ごろに入手できそうだったため,衝動的に購入しました.

導入・結果

まず見た目ですが,かなりすっきりしました.元々細身で本数の少ないフレームのため,薄く短いサドルは個人的に好印象.

フィット感は個人差が大きいためコメントが難しいですが,現状100km弱程度の距離ならば支障なく走れています.

折りたたみ時のサイズですが,こちらも小さくなっています. 横に担ぐ際はサドルの後方を体に接するようにすればサドル長は正直関係ありませんが,見た目上小さくなっていると気持ち的には嬉しいですね.

Pacific CARRYME の購入

様々な偶然が重なった結果,キャリーミーという自転車を購入しました.

日時

2020年6月

動機・背景

背景

2020年当初はコロナ禍が始まった直後で情報も錯綜しており,外での運動には神経を使うような状況でした.

当時ロードバイクのみの所持だった私は私的な事情もあり,サイクリングは自粛傾向.
コロナ禍拡大前にエントリーしたブルベにこそ1本出走しましたが,それ以外はアルバイト先への往復で余裕があれば乗る程度.

とはいえ自転車には乗りたいということで,丁度良い解決策を探した結果,小径車に辿り着きました.

なぜ小径車だったのか

出先での移動」を自転車に置き換えたい,というのが理由の一つです.
自転車に乗る事が目的なのではなく,目的のために自転車に乗る.これならば外出機会自体は増えないですし,自転車を活用することができます.

特に有用なのは輪行.電車で移動して,到着駅からの移動手段に自転車を使用する.
以前は数キロ程度の距離ならば大抵徒歩やシェアサイクルでの移動だったため,移動時間の削減やポート探しの手間の解消も見込めます.

しかし,手持ちのロードバイクでの輪行

  • 工数が多く時間がかかる
  • 輪行過程で手が汚れやすい
  • 電車内で場所を取り神経を使う
  • フレームへの傷や機材トラブルなどのリスクがある

などの理由で元々好きではなく,自走で解決するならそれが一番というスタンスだったため,今回の用途には適しません.

またロードバイク一辺倒ではなく,趣の違うものにも手を出してみたいという気持ちもありました.

これらを高レベルでクリアできる選択肢として浮上したのが,折りたたみの小径車でした.

なぜキャリーミーを選択したのか

当時,小径車界隈については無知.とりあえずBROMPTON, DAHON, TERNあたりは認識しているといった程度でした.

BROMPTONはまず間違いないと聞いてはいましたが,価格が高い.学生の心許ない財布事情では,ポンと買うのには躊躇われます.
また天邪鬼な節があるため,思考停止で安牌をとるのにも抵抗がありました.

BROMPTON_CLINE_EXPLORE
出典:メーカーHP

DAHONは今ならばK3が有力だったと思えますが,当時はアンテナが不十分で注目度も低め.
折りたたみ方式がフレーム&ハンドルポスト2つ折りというのも味気なく感じ,食指が動きませんでした.

DAHON_K3
出典:メーカーHP

TERNBYBが当時登場から1年程度で,走行性能と折りたたみサイズの両立ができていると聞いて気になっていました.
しかし価格がBROMPTONと同程度な事に加え,折りたたみ工数が多く重量も重いなど日常的な輪行用途としては見劣りします.

TERN_BYB_P8
出典:メーカーHP

どれも一長一短あり何が良いかと悩んでいたところ,本記事の主役であるキャリーミーを発見.

CARRYME
出典:メーカーHP
一目でわかる特殊さ.(本当に特殊なのは乗っている人間たちでしたが)
興味を惹かれ調べたところ,

  • 折りたたみ工数が比較的少なく容易
  • 折りたたみサイズが小さく,邪魔になりづらい
  • フレーム自体は折らず,シートポストが接地しない
  • たたんだ後もキャスターで転がせる
  • 重量が軽い部類(エアータイヤで8.6kg)

など輪行適正が高く,こちらの用途にも適しているように見えます.
走行性能こそ他に劣りますが,今回の優先度としては高くないため問題ありません.

価格も抑えめで,最初期と比較すれば高くなってはいますが,それでもギリギリ10万円を割っていました.
特にこの年は,コロナ禍を受けて特別定額給付金10万円が国民に一律給付された直後!
追い打ちをかけるように後の購入店であるLOROさんにて購入キャンペーンが開催されており,

  • キャリーミー本体(エアータイヤ仕様)
  • 輪行袋
  • キャスターホイール
  • 防犯登録料

が全部込みでぴったり10万円で入手可能.

あらゆる条件が揃ってしまい,これは「買え」と言われているに等しいと判断しました.
何より一目惚れの力には勝てず,前月にiPad Proを10万円前後で買っていた現実に目を背け,一路ショップへと向かいました.

購入

購入店は,LORO日本橋店
応対の際ソリッドタイヤも候補に挙げていただきましたが,着脱の難乗り心地の悪化を嫌ったため予定通りエアータイヤ仕様で確定.
在庫の車体を希望し,即時購入.

キャスターホイールは在庫切れのため,後日の入手.
新品の車体を通り雨で早速汚しつつ,帰路へと就きました.